• 古銭/記念硬貨
  • 2023.02.18

庄内一分銀の現在の価値は?買取相場や種類・一朱銀との違いなど

「庄内一分銀を買い取って欲しい」
「庄内一分銀は今も価値あるの?」


とお考えの方に向けて、庄内一分銀の情報を古銭に触れるのが初めての方でもわかりやすいように簡潔にまとめました。
特徴や歴史、種類、買取相場など、詳しく解説しています。

庄内一分銀って何?

庄内一分銀って何?

庄内一分銀は、江戸時代に発行された貨幣の一つです。

当時は1/4両の価値とされていた一分の額面で流通していました。

どんな貨幣なのか、特徴や歴史を紹介します。

庄内一分銀の特徴

  • ✔︎ 素材:金 約0.2%/銀 約98.9%/その他 約0.9%
  • ✔︎ 重さ:約8.62g(2.3匁)※規定量目
  • ✔︎ 寸法:約24×約16.5×約2(mm)※個体差あり

天保一分銀の表面に「庄」と刻印された銀貨を「庄内一分銀」と呼びます。

元が天保一分銀なので、素材も大きさも天保一分銀と同等で、ほとんどが銀で作られている高品質な銀貨です。

「一分銀」の刻印や額縁に飾られた桜など、「庄」の字以外は見た目も天保一分銀と同じです。

天保一分銀について詳しくはこちら↓
天保一分銀の価値や買取価格を解説!安政一分銀などその他一分銀も紹介

庄内一分銀が作られた経緯

庄内一分銀が発行されたのは、江戸時代末期の幕末、慶応4年(1868年)です。この時期、日本は大きな混乱の中にありました。

安政6年(1859年)に幕府が銀の純度を下げた「安政一分銀」を発行したことで、それまでの高品質な「天保一分銀」が市場から姿を消し、低品位な貨幣が流入して経済が混乱していたのです。

さらに同年は戊辰戦争の真っ只中であり、庄内藩は新政府軍と戦うための戦費調達という課題にも直面していたことも大きな要因となりました。

庄内藩が独自刻印を施した理由

名称にある「庄内」とは、この一分銀を発行した「庄内藩」(現在の山形県鶴岡市・酒田市周辺)の地名に由来します。

幕府が発行した正規の「天保一分銀」に「庄」という目印の刻印を打ったものが、「庄内一分銀」です。

庄内藩が「」の刻印を打った最大の理由は、藩内の経済混乱を収拾するためでした。

当時、幕府が発行した低品位の「安政一分銀」が領内に流入し、人々は高品質な「天保一分銀」を隠して使わなくなっていました。

そこで庄内藩は、領内にある天保一分銀すべてに「庄」の刻印を打ち、刻印のある銀貨(天保一分銀)は刻印のない銀貨(安政一分銀)よりも価値が高い(古一分銀4枚=新一分銀5枚)とする独自のルールを定めました。

これにより、良質な銀貨の価値を守り、藩内での通貨流通を安定させようとしたのです。

流通期間が短かった理由

庄内一分銀に刻印が押されたのは、慶応4年5月20日から6月15日までの、わずか約1ヶ月間だけでした。これは、まさに戊辰戦争の最中であり、庄内藩が新政府軍と交戦していた時期と重なります。

藩は戦費調達と経済安定のためにこの措置を取りましたが、同年9月には新政府軍に降伏。

その後、明治新政府による全国的な通貨統一政策(明治4年の新貨条例など)が進められたため、庄内藩独自の試みであった庄内一分銀は、その役割を短期間で終えることになりました。

明治に入ると明治一分銀が作られましたが、銀貨としての質は悪くなる一方だったとされています。

明治一分銀について詳しくはこちら↓
明治一分銀の買取相場|当時の価値やその他一分銀の紹介・見分け方

庄内一分銀の製造場所とデザインの違い

庄内一分銀の製造場所とデザインの違い

庄内一分銀は、庄内藩にある鶴岡や酒田という地名の場所で製造されたと言われています。

鶴岡は現在の山形県鶴岡市で、酒田は山形県酒田市です。

まだはっきりとはしていませんが、庄内一分銀は製造場所によってデザインが微妙に違うことがあります。

酒田製

酒田で「庄」が刻印された庄内一分銀は、裏面の右下にカタバミ印のような刻印が小さく刻まれています。

庄内藩の藩主だった酒井家の家紋を模しているという説もあります。

鶴岡製

鶴岡で「庄」が刻印された庄内一分銀は、裏面の左下に小さいカタバミ印のような模様が彫られています。

鶴岡製の方が発行数が少なかったため、裏面の左下に印がある庄内一分銀は希少価値が高いとされ、査定額も上がる可能性があるでしょう。

庄内一分銀の現在の価値と査定額がアップしやすい種類

庄内一分銀の現在の価値と査定額がアップしやすい種類

庄内一分銀は現在どのくらい価値があるのでしょうか。

また、庄内一分銀は査定額に著しく影響を与える特徴を持っている種類があります。

買取相場と一緒に査定額が上がりやすい特徴を紹介するので、お手持ちの庄内一分銀と見比べてみてください。

今はいくらで買い取ってもらえる?

庄内一分銀は、天保一分銀に庄内藩独自の刻印がされている特別な一分銀です。

希少価値も高いため、状態が良ければ数万円で取引されることが多いでしょう。

また、鶴岡製の方が珍しいため、酒田製よりも査定額がアップする傾向にあります。

査定額アップが期待できる庄内一分銀の種類

  • ✔︎ 跳分•••「分」の二画目が上に跳ねている
  • ✔︎ 長柱•••「座」の八画目が上に伸びている

庄内一分銀には上記2つの種類が存在します。

「跳分」は表面にある「一分銀」「分」に特徴があり、二画目が上に跳ね上がっている書体のものです。

跳分は通常の庄内一分銀より査定額が数万円アップする可能性があります。

また、裏面にある「定 銀座 常是」「座」において、「土」の縦線が上に伸び上がっているもの「長柱」と呼ばれる種類です。

長柱はさらに希少価値が高く、10万円を超えることもあるでしょう。

⚠︎CAUTION!
上記の買取相場はあくまでも目安です。実際の買取価格は保管状態や市場の需給バランスなど、さまざまな要因で変動します。詳細は古銭買取業者にご確認ください。

庄内一分銀の偽物はどうやって見分ける?

庄内一分銀の偽物はどうやって見分ける?

  • ✔︎ 色味
  • ✔︎ 重さ

庄内一分銀は、偽物かどうか見分けるのに重要なポイントが色味や重さと言われています。

色味や重さから見る偽物の見分け方を紹介します。

色味から見分ける

庄内一分銀は銀の含有率が高いのが特徴なので、色味は鮮明な銀色です。

年季が入って黒ずんでいたとしても、硫化による銀特有の黒ずみ方をしています。

白光りしているものや、真っ黒だったり錆びたりしているものは偽物と判断できるでしょう。

重さから見分ける

庄内一分銀の重さは約8.6gです。

当時の技術では、一種類の銀貨を統一した大きさや重さで作ることが難しかったため、同じ種類の一分銀でも重さなどに違いがあります。

しかし、重すぎたり軽すぎたりするものは素材自体が異なる可能性が高いため、偽物かもしれません。

一分銀と一朱銀の違い

一分銀と一朱銀の違い

江戸時代にはさまざまな銀貨が発行されました。

そのなかに、一分銀とよく似た一朱銀という銀貨があります。

一朱銀は1/16両という額面で、1/4両だった一分銀の1/4という価値で流通していました。

江戸の貨幣制度と両替比率

江戸時代の貨幣制度は「両(りょう)・分(ぶ)・朱(しゅ)」という単位が基本でした。これは金貨の単位系で、以下の関係性があります。

  • ✔︎ 1両 = 4分
  • ✔︎ 1分 = 4朱

    つまり、「1両=4分=16朱」という換算になります。

    「一分銀」はその名の通り「1分」の価値を持つ銀貨で、4枚集めると「1両」の価値(一両小判1枚に相当)になりました。

    「一朱銀」は「1朱」の価値を持つ銀貨で、4枚で「1分」(一分銀1枚に相当)、16枚で「1両」となりました。

    一朱銀のデザインと素材比較

    一分銀と一朱銀は、価値だけでなくデザインや素材も異なります。

    庄内一分銀(天保一分銀)が約8.6gの長方形で銀品位約98.9%だったのに対し、たとえば江戸時代後期の「文政南鐐一朱銀」は、重さは約2.6g、銀品位約98.8%と、一分銀より小さく軽いものでした。

    時代や種類によって素材やデザインは様々ですが、一分銀は一朱銀の4倍の価値を持つ、より高額な貨幣だったのです。

    そのほか一朱銀には、嘉永一朱銀、貨幣司一朱銀があります。

    文政南鐐一朱銀について詳しくはこちら↓
    文政南鐐一朱銀の買取相場は?重さなどの特徴や歴史・一分銀との違いなど

    庄内一分銀を買取方法や査定額アップのためにできること

    庄内一分銀を買取方法や査定額アップのためにできること

    庄内一分銀などの銀貨を買い取ってもらうにはどのような方法を選択すれば良いのでしょうか。

    また、査定額アップのためにできることを紹介します。

    買取方法

    • ✔︎ フリマアプリ
    • ✔︎ ネットオークション
    • ✔︎ 買取業者

    庄内一分銀を買い取ってもらうには、フリマアプリやネットオークション、買取業者といった方法があります。

    フリマアプリやネットオークションに自分で出品すると、個人間売買なのでトラブルが起こる可能性もあるでしょう。

    安全に適正価値で買い取ってもらうには、買取業者がおすすめです。

    高く買い取ってもらうためにできること

    • ✔︎ 直接触らない
    • ✔︎ 洗浄しない
    • ✔︎ 古銭に強い買取業者を選定

    銀貨は、劣化や損傷を防止し、現状を保つことが高額査定に繋がります。

    直接触ると汗や皮脂で変色するなどするため、あまり触らない方が良いでしょう。

    どうしても触らなければならない場合は、手袋をするのがおすすめです。

    また、現状を維持するため、ケース等で保管し、洗浄などはしないようにしましょう。

    保管方法やお手入れ方法を間違えると逆効果になることが多いため、気をつけなければなりません。

    また、プロの査定士が在籍している買取業者を選択するのも重要です。

    価値をしっかり買取価格に反映してくれる業者を選択しましょう。

    庄内一分銀の買取は福ちゃんへ

    高く買い取ってもらうためにできること

    庄内一分銀は天保一分銀の一種で、「庄」の字が刻印されていることが大きな特徴です。

    庄内藩が銀貨として質が高い天保一分銀と質が劣る他の一分銀を見分けるために彫ったと言われています。

    製造場所は鶴岡や酒田で、カタバミ印が裏面の左下にあるのが鶴岡製、右下にあるのが酒田製と言う説がありますが、見極めの確固たる証拠はありません。

    買取相場は美品だと数万円程度で、「跳分」「長柱」と呼ばれる珍しい書体は査定額がアップする傾向にあります。

    庄内一分銀は歴史的価値や種類の見極めなど、あらゆる角度から査定が可能なプロが見なければ適切な価格がつかないでしょう。

    福ちゃんには、庄内一分銀を含めてさまざまな古金銀を取引してきた実績があります。

    庄内一分銀の買取は福ちゃんにお任せください。

    古金銀について詳しくはこちら↓
    古金銀とは?意味や種類別の価値を紹介!買い取ってもらう方法も

    【銀貨豆知識】「東国の金遣い、西国の銀遣い」

    江戸時代は、東日本で金貨が貨幣としてよく使われ、西日本で銀貨が貨幣としてよく使われていたと言われています。

    当時、東日本では金の産出量が多く、西日本は銀の産出量が多かったため、至極当然の流れでした。「東国の金遣い、西国の銀遣い」は、そういった江戸時代の貨幣事情を表した言葉です。

    また、現在は日本で通用禁止となっている銀貨ですが、記念硬貨として発行されることがあります。最初に日本で発行された記念硬貨は「東京オリンピック記念」です。

    その後、国際的な記念すべきイベントが開催される際、記念硬貨が発行されています。

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