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  • 2025.09.09

小判の価値一覧|慶長から万延まで全10種の価値と見分け方を専門家が解説

古銭収集において
家に古い小判が眠っているけれど、これっていったいどれくらいの価値があるの?
骨董市などで小判を見かけたけれど、種類によって値段はそんなに違うの?
などと疑問に感じたことはありませんか?

小判は時代によって金の含有量(品位)やデザインが異なるため、数万円程度に落ち着くものから数百万円以上の値が付くものまで、実に幅広い価格帯で取引されています。

本記事では、「慶長小判」から「万延小判」まで、全10種類の小判の価値や特徴を詳しく解説しながら、お手元の小判を高く売るためのポイントをご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

小判の価値は何で決まる?4つの価値決定ポイント

小判の価値一覧|慶長から万延まで全10種の価値と見分け方を専門家が解説

小判の価値は単に「金の重さ」だけでは決まりません。

実際には、金の含有量だけではなく「どの時代に作られたか」「どのような極印が打たれているか」など、歴史的な背景や希少性、そして現存状態などが総合的に判断されます。

小判は江戸時代の貨幣として長く流通してきた歴史があり、同じ種類でも保存状態や刻印によって価値が数倍以上も違うケースが珍しくありません。

ここでは、専門の査定士がとくに注目する代表的な4つのポイントについて見ていきましょう。

1. 小判の種類と鋳造された時代

小判には「慶長小判」「元禄小判」「宝永小判」など、発行された時期ごとに異なる名称と特徴があります。

作られた時代によって金の品位が大きく異なるため、慶長小判や享保小判のように品位が高いものは、素材としての価値も上がりやすく、さらに希少性が加われば買取価格は跳ね上がるでしょう。

逆に、金の含有量が低い時代の小判は、単純な地金価格以上の評価は受けにくい場合があります。まずは、「どの時代に作られたのか」を正確に把握することが小判価値の最初の基準となります。

2. 金の含有量と品位

小判の品位(含有率)は、時代によって大きく変動しました。たとえば最初期の慶長小判は金の含有率が約85%とされ、非常に高品質な金貨です。

その一方で、幕末に発行された万延小判は同程度の品位でも量目が極端に小さくなりました。また、ほかの時代でも小判の品位を半分以下に落とした改鋳が行われたりと、貨幣政策の影響が色濃く現れています。

したがって、金の地金としての価値もさることながら、「歴史的にどの時代の改鋳で品位がどうだったか」を知ることで、コレクターズアイテムとしての価値まで見極めることが可能です。

3. 保存状態の良し悪し

同じ種類、同じ時代に鋳造された小判であっても、汚れや傷、摩耗の度合いによって価値は大きく左右されます。

とくに流通期間の長かった元文小判などは、長年の使用による摩耗が激しいものも少なくありません。

コレクター市場では「美品」「極美品」など、未使用に近い状態のものほど高く評価されがちです。

小判は当時の職人技が生み出す刻印の美しさも魅力のひとつであるため、刻印部分がはっきり残っているほど査定額が上がる傾向にあります。

4. 書体や極印などの希少性

小判に打たれている「光次」の銘や時代印の書体、幕府への献上を示す特別な極印、あるいは「」「」が偶然並んだ「偶然大吉」などのレアな刻印があると、その希少性によって価値が格段に上昇します。

こうした特別な印が確認されると、「数十万円から数百万円へ」査定の価値が飛躍するケースもあるのです。

したがって、「古いから高い」だけではなく、「どのような印が打たれているか」もチェックポイントになります。

《全種類》時代別に見る小判の価値一覧

小判の価値一覧|慶長から万延まで全10種の価値と見分け方を専門家が解説

ここからは、小判の種類ごとの価値について詳しく見ていきましょう。

日本の貨幣史において小判は、慶長小判から万延小判までおよそ250年以上にわたってさまざまな改鋳が行われてきました。

その過程では、金の含有率や量目が上下するだけでなく、刻印の書体や大きさも変わっています。ご自宅にある小判がどの時代のものなのか、ぜひここで確かめてみてください。

慶長小判(1601年~)の価値

徳川家康が関ヶ原の戦いに勝利した翌年に作られた、いわば「最初の統一小判」が慶長小判です。

最大の特徴は、金の含有率(約84~86%)が非常に高く、発行時期や鋳造場所によって価値が異なるのも大きな特徴です。

いずれも刻印の細部などが異なるものの、日本貨幣史における重要性と高い金品位ゆえに、コレクター需要は常に根強い小判といえるでしょう。

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元禄小判(1695年~)の価値

第5代将軍・徳川綱吉の時代、財政難を乗り切るために行われた最初の改鋳小判が元禄小判です。

ここで金の品位が一気に下げられ、慶長小判と同じ大きさでも実質的には含まれる金が大幅に少なくなりました。金の含有量は、約56~57%ほどに。

これにより幕府は改鋳利益を得ましたが、庶民は「質の良い慶長小判が消え、劣化した新貨が増える」という現象に苦しめられました。

元禄小判の価値としては、「元」のハネが長い「長元」で50万円から200万円程度、「短元」や「偶然大吉」であればさらに高い価格帯に期待できるでしょう。

宝永小判(1710年~)の価値

宝永小判は、元禄小判に引き続き幕府の財政対策として改鋳された小判です。一度は慶長並みに金の品位を戻しつつも量目を半分ほどに減らすという、別の手法が取られました。

背面に時代印「」が打たれていることから「乾字金」とも呼ばれます。

鋳造期間は短く、当時の政策も複雑だったため、現存数は限られているのです。佐渡金山で作られた「」印入りの宝永小判であれば、とくに希少価値が高い傾向にあります。

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正徳小判(1714年~)の価値

学者「新井白石」の主導で、「やはり小判は高品位に戻すべきだ」として発行されたのが正徳小判です。

再び慶長小判相当の品位・重量に戻されたのですが、物価や経済状況との整合が取れず、すぐに鋳造停止となったため、発行枚数が非常に少ないのが特徴です。

裏面には時代印がなく、表面下部の刻印「光次」の「」の最終画と「」がつながった「重光次」というレアな書体が大きな見分けポイントになります。

現存数が少ないため価値は群を抜いて高く、状態が良ければ100万円以上から300万円近くまで、大きな価格差が付くこともあります。偶然大吉であれば、値段を付けられないほどの価値となるでしょう。

享保小判(1714年~)の価値

正徳小判と同じく高い金品位(約86~87%)を誇り、江戸幕府第8代将軍・徳川吉宗の治世で長きにわたり流通したのが享保小判です。

裏面に時代印がない点は正徳小判と同様ですが、正徳小判の「重光次」と違い「離光次」と呼ばれる書体を使用しているのが識別の決め手です。

長期間流通したため現存数も比較的多いものの、きれいな刻印の「偶然大吉」や佐渡金山鋳造の「」印が入ったものなどは、希少価値が加わってさらに高額になります。

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元文小判(1736年~)の価値

享保の次に改鋳された小判が元文小判です。金の品位を再び下げ、量目も減らすことで、庶民の生活にあわせた通貨供給量を確保しやすくしたといわれています。

発行期間が非常に長く(80年以上)、最も多く出回った小判としても知られています。

裏面には時代印として楷書体の「」が打たれており、同じ「」でも文政小判が草書体であるのに対して、こちらは楷書体なので見分けが付きやすいのが特徴です。

流通量が多いため標準的なものはやや落ち着いた相場になりがちですが、「偶然大吉」や「献上判」など特殊印を持つものは一気に数倍の値が付くことも。

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文政小判(1819年~)の価値

元文小判に続いて、さらに金の品位を下げつつ同程度の量目を維持して作られたのが文政小判です。

裏面に草書体の「」が打たれていることから、元文小判と区別が可能です。改鋳の目的は、幕府の財政を補うことでしたが、実際には改鋳利益も確保しながら市場に新たな小判を供給したとされています。

文政小判は、献上判や書体の違いによるバリエーションが多く、「偶然大吉」など縁起物の刻印も存在。

七福神にちなんだ複数の印を持つ「七福小判」が出てくれば、相場を大きく上回る価値に期待できるでしょう。

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天保小判(1837年~)の価値

天保小判は、幕府の深刻な財政難を背景に発行されました。金の品位は文政小判とほぼ同程度ですが、初めてローラー(圧延機)を使った技術が導入され、表面が比較的均質に仕上がっているのが特徴です。

裏面の時代印は「」で、同じ保字金でも享保小判とは区別されます。金品位は高くないものの、美しく均質な刻印と希少な験極印が残るものにはコレクター人気があります。

偶然大吉」や「献上判」など特別な印が入っている小判はもちろんのこと、七福小判の「小吉」や「馬神」は非常に希少です。

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安政小判(1859年~)の価値

幕末の動乱期、海外との金銀比価のズレを利用した「金の大量流出」を防ぐために作られた小判が安政小判です。

金品位は天保小判と大差ありませんが、量目がさらに減らされ、極端に軽い小判として登場しました。裏面に時代印の「」が打たれていることから「正字金」や「正字小判」とも呼ばれます。

しかし、外国からの反発もあって、わずか数か月で鋳造停止・回収されたため現存数は極めて少なく、希少性が非常に高いのが特徴です。

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万延小判(1860年~)の価値

徳川幕府が最後に発行した小判として知られるのが万延小判です。

江戸時代末期、海外との金銀交換比率を実質的に是正するため、大幅に量目が削られた結果、サイズが非常に小さい「雛小判(ひなこばん)」とも呼ばれるほどの姿になりました。

金の品位自体は天保や安政とほとんど変わりませんが、最後の小判という歴史的意義と圧倒的に小さなサイズのインパクトから、コレクター人気が非常に高い小判です。

献上小判や美品で現存しているものは価値が高く、状態や希少刻印の有無でも大きく変動します。

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知っておきたい!小判の価値をさらに高める希少な特徴

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ここまで、小判の「種類」と「状態」を中心に価値が大きく変わることをお伝えしてきました。しかし、それだけで終わりではありません。

実は、同じ時代・同じ種類の小判であっても、特別な刻印や歴史的背景を持つ場合、通常の基準を大きく超える査定額が付くことがあります。

ここでは、その代表例としてよく知られる2つの希少な特徴を解説いたします。

幕府への献上品「献上判」

献上判とは、将軍家や幕府に献上する目的で特別に作られたとされる小判の総称です。

表面のござ目が格段に細かい、極印が通常より丁寧に打たれている、品位がわずかに高いものなどさまざまな説があり、希少性と美しさから高額査定が期待できます。

裏面には通常とは異なる極印が残されている場合も多く、いわば「特別製」として大事に扱われてきたものもあるため、コレクターから強く求められているのです。

縁起物として珍重される「偶然大吉」

小判の裏面には金座や小判師などによる複数の極印(験極印)が打たれており、中でもごくまれに「」「」という文字が隣り合って打たれることもあります。

これを「偶然大吉」と呼び、縁起が良いと珍重されてきました。意図的に打たれたものではなく、あくまで「偶然」重なった刻印なので、そのレア度は非常に高いとされています。

もしお手持ちの小判に「大吉」の文字が確認できたら、思わぬ高額査定につながる可能性も

小判の価値を下げないために!高く売る3つのコツ

小判の価値一覧|慶長から万延まで全10種の価値と見分け方を専門家が解説

大切な小判を査定に出す前に、知っておくと査定額アップにつながるポイントがいくつかあります。歴史的にも素材的にも価値を持つ小判でも、取り扱いを誤ると本来の評価を得られなくなるかもしれません。

ここでは、誰にでもすぐ実践できる3つのコツをご紹介します。ぜひ査定に出す前にチェックしておきましょう。

1. 無理にきれいにしない

古銭全般にいえることですが、素人が自己流で磨いたり汚れを落としたりすると、金属表面に細かな傷を付けてしまい、刻印の鮮明さや風合いを損なう恐れがあります。

小判は「当時の状態」をいかに保っているかが重視されるため、サビやくすみがある程度付着していても、そのままのほうが価値を高く評価されやすいのです。

査定前は、下手に手を加えず「触らない・磨かない」が鉄則です。

2. 鑑定書など付属品も一緒に査定に出す

もし過去に購入した際の鑑定書や保証書、古い文献や由来書などがあれば、必ず小判とあわせて査定に出しましょう。

これらの書類や付属品は、その小判が真贋を疑われないための証拠にもなり、来歴(プロヴィナンス)がはっきりしているほど高額査定につながる場合があります。

外箱や収納箱がある場合も、同梱すると査定の材料となり査定額アップが期待できます。

3. 古銭の専門知識がある買取業者に依頼する

小判の価値を正しく見積もるには、専門的な知識と豊富な査定経験が欠かせません。

リサイクルショップや総合買取店でも受け付けていることはありますが、古銭専門のスタッフがいないと「単に金の地金価格」としてしか評価されない恐れがあります。

一方で古銭買取の専門店や、査定士がしっかり在籍している業者に依頼すれば、「献上判の可能性」や「偶然大吉の希少性」などを見逃さず査定してもらえるため、納得のいく価格が付きやすいでしょう。

小判の買取は福ちゃんへ!まずは無料査定から

小判の価値一覧|慶長から万延まで全10種の価値と見分け方を専門家が解説

小判の価値は時代や種類、保存状態、刻印のバリエーションなど、実に多岐にわたります。最終的には、専門家の目で一点ずつ丁寧に確認しなければ正確な価値を判断するのは難しいものです。

わたしの小判はいったいどれに該当するのか?
この部分の刻印があるものは高く売れるのだろうか?
と気になった方は、ぜひ福ちゃんの無料査定をご利用ください。

福ちゃんには古銭を熟知した査定士が在籍しており、これまで数多くの小判や古銭の査定・買取実績を誇ります。

小判の「金の重さ」だけで判断せず、時代印や極印、品位などあらゆるポイントを細かくチェックし、しっかりと価値を見極めたうえで買取いたします

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まとめ

小判の価値は、種類(時代)・品位・状態・刻印の希少性など、多くの要素によって左右されます。

慶長小判のように高い品位と歴史的意義をあわせ持つものから、万延小判のようにサイズが極端に小さくとも希少性で高値が付くものまで、数万円から数百万円以上と買取相場は幅広いのも特徴です。

大切な小判を少しでも高く売るには、無理な清掃を避け、付属品とともに専門の買取業者に査定を依頼するのがポイント。

自身で判断が難しいときには、ぜひ古銭買取のプロである福ちゃんにご相談ください。

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