仏像とは、仏教の教えを具体的に表した仏や菩薩の姿をかたどった像の総称です。飛鳥時代に仏教とともに日本へ伝わって以来、仏像は人々の祈りの対象として親しまれてきました。また、その時代ごとの精神や価値観を映し出す美術品としても、大切に受け継がれています。
仏像は、作られる素材や技法によって多彩な表情を見せます。たとえば、木のぬくもりを感じる「木彫(もくちょう)」や、金属の重厚な輝きを持つ「金銅仏(こんどうぶつ)」、そして実際の人間に近い表現を追求した「塑造(そぞう)」などが有名です。平安時代には優雅な定朝(じょうちょう)様式が生まれ、鎌倉時代には運慶(うんけい)や快慶(かいけい)による、力強く写実的な作風が確立されました。こうした仏像の造形は、日本における彫刻の歴史そのものを物語っています。
現代における仏像の魅力は、歴史的な価値だけではありません。その静かで穏やかな表情や美しい姿が、見る人の心を落ち着かせてくれるため、空間を格調高く彩るインテリアやコレクションの品としても、非常に人気があります。



舟谷喜雲作の釈迦如来です。丁寧な彫りや仕上げが際立つ一品で、保存状態も良好なため高く評価いたしました。