日本画とは、明治時代以降に西洋画(油彩画)と区別する目的で名付けられた、日本の伝統的な技法や様式に基づく絵画の総称です。その最大の特徴は、鉱石を砕いた「岩絵具」や「墨」を、動物のコラーゲンである「膠(にかわ)」で溶いて描く点にあります。
描くための土台(支持体)には主に「和紙」や「絹」が用いられ、岩絵具の粒子が放つマットな質感や、金箔・銀箔(砂子)による華やかな輝きは、油絵には見られない奥行きと格調高さを生み出します。また、余白を活かした独自の空間構成や、四季の移ろいを捉える繊細な感性は、古来より受け継がれてきた日本人独自の精神性そのものです。
日本画は、狩野派や琳派などの伝統を背景に持ちます。その系譜は、「院展」の横山大観や「日展」の東山魁夷といった近代の巨匠たちによって、芸術としてより高みへと昇華されました。これらの作品は、床の間を飾る掛け軸や額装品として親しまれ、日本の美を象徴する存在でもあります。「資産価値の高い美術品」として、国内外の美術館やコレクターからも高い評価と人気を集めています。



1940年新潟県出身。芙蓉・花菖蒲・牡丹などをモチーフにした作品を手掛けています。現在は日本美術院特待をつとめてます。