漆器(しっき)とは、木や紙などの素地に、ウルシの木から採取した樹液(漆)を何度も塗り重ねて仕上げる工芸品の総称です。その歴史は古く、日本では縄文時代の遺跡からも出土しています。英語で磁器を「China(チャイナ)」と呼ぶのに対し、漆器は「Japan(ジャパン)」と呼ばれ、日本を象徴する独自の工芸品として世界的に認知されています。
漆器の魅力は、しっとりと濡れたような深みのある艶と強固な耐久性です。加飾技法も多彩で、金粉を蒔く「蒔絵(まきえ)」や、夜光貝などを埋め込む「螺鈿(らでん)」などが発展しました。
現代において、棗(なつめ)や香合(こうごう)といった茶道具、あるいは絢爛豪華な硯箱(すずりばこ)などは、単なる器ではありません。日本の美意識が凝縮された「資産価値の高い美術品」としても評価され、名品は国内外のコレクターから熱い視線が注がれています。



お客様より角偉三郎作の合鹿碗、汁碗、利休皿をお買取りいたしました。いずれも保存状態が良好で、伝統的な美しさと作家性が感じられる素晴らしい漆器です。しっかりと評価させていただきました。