【越後上布】名古屋帯を買取いたしました
- 大阪府
- 40歳代
- 女性

【越後上布】名古屋帯
今回お買い取りした商品は越後上布の名古屋帯です。新潟県の南魚沼市、小千谷市で生産されている『越後上布』。一般的な麻ではなく「苧麻」を使っていること、高い吸収性、撥水性があることが特徴とされています。越後上布は1955年(昭和30年)に重要無形文化財に、そして2009年(平成21年)にはユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
1200年以上の歴史がある越後上布ですが、現在は「幻の織物」と呼ばれています。その理由は原料となる苧麻の生産数と後継者の減少。これに比例する形で越後上布の生産も激減しているのです。そんな越後上布を贅沢に使った名古屋帯の売却を考えている……と依頼主の方よりご連絡いただき、出張査定をさせていただくことに。お申し込みの段階では「相見積もりをしている最中」「値段によっては即決も」ということでしたので、できる限り精いっぱいの値段を提示すること、そして買取福ちゃんらしい「丁寧な対応」を意識してお伺いしました。
ご訪問前の準備
バイヤー(査定士)が車を走らせていたのは大阪府箕面市。
「自然が豊かでアクセスがいい」「治安がいい」などの理由で人気のあるエリアです。
時刻は午後2時。ときどき電動自転車で買い物をする主婦や、散歩をする老夫婦、小さな子供連れの親子の姿が見えます。平日のこの時間帯ということもありますが、このあたり一帯は「閑静な住宅街」であるため、交通量は少ないようです。
バイヤーは依頼主のご自宅を確認し、近隣のコインパーキングを探しはじめました。駐車し、少しのあいだ依頼主の情報や依頼品について最終確認を行います。
今回の依頼主は40代の女性です。越後上布の名古屋帯ということなので、着物好きの方、もしくは着物上級者の方なのかもしれません。
「お客様にとって一番いい買取を」……そう念頭に置き、社内データに目を通します。
こうしているうちに、お時間が迫ってきました。バイヤーは査定道具(白手袋、ルーペ、風呂敷、タブレット、小型プリンターなど)をまとめ、車をあとにします。
訪問・査定
バイヤーがやってきたのはこのエリアの中でも「高級住宅街」といわれる場所でした。
おそらく建築デザイナーによって建てられたのであろう、おしゃれな一戸建て。このご自宅が今回の依頼人のお住まいです。
表札下のインターホンを鳴らし、来意を告げます。
はい
福ちゃんから参りました
どうぞ
自動でゲートが開いたので、玄関へと続く道を進むバイヤー。壁は白く、庭もプロによって整備されている様子です。
玄関前にもインターホンが設置されていたため、もう一度押すと、依頼人本人と思われる女性が現れました。
こんにちは、どうぞ
こんにちは。失礼します
短い挨拶を交わし玄関に入る依頼主とバイヤー。バイヤーはすぐに名刺を取り出し挨拶を始めます。
はじめまして。福ちゃんからまいりました査定士です。本日はよろしくお願いします
あら、どうもありがとう。こちらこそよろしくお願いします
依頼主に案内されたのは応接室です。無垢材を使用した木製のローテーブルと革張りのソファが非常にお洒落です。そして、テーブルの上には今回の依頼品と思われるものが置かれています。
どうぞ、おかけください
失礼します
ここでバイヤーから買取の流れについて説明が行われました。依頼主はバイヤーが取り出した同意書にサインをします。
それではさっそく査定に入らせていただきます
よろしくお願いします。これを査定してほしくて……
取り出したのはたとう紙に包まれた一点の帯。依頼主本人が帯紐をほどくと、そこに現れたのはグレー、紺を基調とした帯でした。ひし形模様が美しく、使用感が感じられません。
バイヤーは白い手袋を装着し、ルーペを取り出します。
拝見してもよろしいでしょうか
はい。お願いします。広げていただいても構いませんので
ありがとうございます
風呂敷を敷き、帯の全体を確認するバイヤー。目視でも「ほぼ新品」であることがうかがえます。
証紙も保管いただいていたんですね
ええ。こういうのは捨てないほうがいいかなと思いまして
仰る通りでございます
バイヤーはルーペを使って細部も確認。糸のほつれや毛羽立ち、カビといったものがないか確認します。
大変立派な越後上布の帯ですね。使用感が感じられないのですが、こちらはどのようにして入手されたのかお伺いしてもよろしいでしょうか
母のおさがりなんです。一度も使っていないんですけどね
なるほど。そうだったんですね
最近はもうあんまり着なくなってしまったんですが、母は着物好きでして……着物を着る習い事などもしていたんですよ
それは素敵ですね
この帯を選んだのは着物好きだという依頼主のお母様でした。
幻の布だということは聞いていたんですが……私ももらってから一度も着用していなくて。これでは『宝の持ち腐れ』だと思ったんです。
それでご連絡をいただいたんですね。お選びいただきありがとうございます
バイヤーは丁寧に査定を進めながら、依頼主に越後上布について説明しました。
全盛期は30万反ほど織られていた越後上布なんですが、今はたったの80反ほどしか作られていないんです。新しい後継者が出てこなければ……越後上布は本当に幻の布になってしまうでしょうね
そこまで減ってしまっているんですね。重要無形文化財というのはこの札を見て知っていたんですが、そんな状況になっているとは知りませんでした
一通り査定を終えたバイヤー。タブレットを使って価格調整を行います。
今回はこちらの金額を出させていただきました
……なるほど
はい。作家物のものになるとこれ以上になるのですが……今回は重要無形文化財という希少性の高さ、状態の良さなどを最大限に評価させていただきました
ありがとうございます
とんでもございません。今相見積もりをされている最中だとお伺いしていましたので……ぜひ弊社の買取価格も参考にしていただければと思います
そうですね……
少しの間沈黙する依頼主。バイヤーはその様子を見守ります。
御社にお願いしようかなと思います
ありがとうございます。……ですが、もう相見積もりはされなくてよろしいのでしょうか
はい。実は福ちゃんが3社目でして……価格も対応も一番よかったし、ここで決めようかなと
ありがとうございます。では、お手続きに入らせていただきます
よろしくお願いします
バイヤーはタブレットを使って契約書を作成し、小型プリンターで印刷したものを依頼者に渡します。
こちらが今回の契約書でございます。お読みいただき、ご質問がなければ署名をお願いします
はい
このあいだにバイヤーは帯を丁寧に畳み、現金の用意を行います。
できました
ありがとうございます。それでは、本人確認書類を拝見してもよろしいでしょうか
はい
……ありがとうございます。では、こちらが今回の買取金額でございます
ありがとうございます
以上となりますが、他に査定を希望されるものはございますか?
すみません、これもいいですか?
はい、拝見します
依頼主の趣味だというブランド品を追加査定しましたが、この日は保留となりました。
いよいよお別れのご挨拶です。
この度は福ちゃんをご利用いただきありがとうございました。また何かございましたらご連絡くださいませ
今回の買取とまとめ
越後上布の名古屋帯(作者不明)
今回注目のお品物は越後上布の名古屋帯です。さらりとした麻生地に控え目な模様が特徴で、この生地を使った名古屋帯は着物好きが選ぶ「紬」との相性も抜群です。
大変希少性の高いお品物であるということ、また未使用品という状態の良さを考慮し、弊社の限界価格に挑戦いたしました。このたびはご利用いただきありがとうございました。
買取福ちゃんには着物、帯に精通した査定士が在籍しています。
作者不明のお品物も、ぜひお任せください。
0120-947-295
大変申し訳ございませんが時間を空けてお問合せください。
いただきません。
どのようなことでも、お気軽にご相談ください。
福ちゃんでは、丁寧な査定を心がけております。売りたい・譲りたいお品物があるという方はぜひご相談だけでもお待ちしております。