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タグホイヤーの歴史

時計初心者から強いこだわりを持つ玄人まで、幅広く愛されているタグホイヤー。その始まりは1860年、エドワード・ホイヤーによる時計メーカー「エドワード・ホイヤー・ウォッチ」の設立です。

ストップウォッチ機能と時計機能を兼ね備えた「クロノグラフ」の開発に注力していたこのブランドは、1887年に「振動ピニオン」の発明に成功し、その特許を取得しました。これは当時の時計業界において革新的な発明であり、タグホイヤーの歴史を語るうえで決して外せないポイントです。
振動ピニオンとは、クロノグラフに搭載されたストップウォッチ機能のスタートとストップを切り替えるための部品。これの開発により、スタートボタンを押してからクロノグラフが計測を開始するまでの誤差を、2/1,000秒以下にまで縮めることに成功します。当時の時計業界において画期的な発明であり、従来よりも格段に正確なタイムを計測できるようになりました。

しかし、タグホイヤーの革命的な発明はこれだけにとどまりません。1916年に世界初、1/100秒単位で時間を計測できるストップウォッチ「マイクログラフ」を生み出します。これによって大きな恩恵を受けたのがスポーツ業界です。1秒に満たない限りなくわずかなタイム差で勝敗が大きく左右されるスポーツの世界において、マイクログラフはまさに長年待ち望んだものでした。
スポーツにおける計時の歴史を変える偉大な発明としてその功績が称えられ、1920年に開催されたアントワープオリンピックでは公式時計を担います。これを皮切りに1924年のパリオリンピック、1928年のアムステルダムオリンピックでも公式計時を担当し、世界に名を馳せる高級時計ブランドとして大きく躍進します。

その後もF1をはじめ、各種スポーツイベントで利用されるようになり、いつしかスポーツ業界にとって欠かせない存在となります。こうして著しい成長を遂げたタグホイヤーは、その後も数々の名シリーズを生み出します。現在は「カレラ」「フォーミュラ1」など、ファッションアイテムとして重宝する人気モデルも多数取り扱っています。