加賀友禅作家・稲手明仁とは?
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稲手明仁とはどんな着物作家?
1950年、稲手明仁は石川県金沢市の染物店の長男として生まれました。
加賀友禅作家・藤村加泉に師事して学び、独立。1980年、「加賀友禅登録技術者」の認定を受けました。
なお、この加賀友禅登録技術者とは、加賀染振興協会が定める基準と審査に合格し、「落款」を登録した者のことを指します。
加賀友禅の世界ではこの審査に合格した者でないと、「加賀友禅作家」と名乗ることはできません。
1983年、第10回新作競技会で奨励賞を受賞。
1987年には東京、京都で開催された「加賀友禅気鋭作家三人展」に参加しました。
また1997年、第96回現代加賀友禅新作展で優秀賞を受賞しています。
2001年にはNHK大河ドラマ『利家とまつ』テーマ作品に参加し、特選を受賞。
そして2020年、稲手明仁は第45回石川県伝統産業功労者に選出されました。次世代に「加賀友禅」を残すため、現在も制作活動を行っています。
稲手明仁の加賀友禅の特徴は?
稲手明仁の作品には、「斬新さ」や「個性」といった特徴はありません。それは、稲手明仁が受け継いだ技術を「伝統」として重んじ、この伝統は「本物」であると認識しているからだといいます。
最近は加賀友禅でも金糸や金箔を用いたり、刺繍を取り入れたりする作家も増えてきましたが、稲手明仁はこういった流行は取り入れず、加賀友禅の特徴といえる加賀五彩(臙脂・藍・黄土・草・古代紫の5色)を使い、「外ぼかし」や「虫食い」といった技法を駆使しています。
数ある友禅作家の中でも、極めてオーソドックスな加賀友禅を作っているという点が稲手明仁の作品の特徴といえるでしょう。
なお、稲手は1980年に加賀友禅登録技術者の認定を受けているので、1980年以降に作られた作品にはすべて加賀染振興協会が発行した証紙と「明仁」の落款がつけられています。
稲手明仁の作品紹介
ここでは稲手明仁の作品についてご紹介します。
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振袖 草花に丹頂模様
振袖は未婚女性の礼装で、成人式や式典など「お祝いの場」で着用されます。この作品は全体が「加賀五彩」の古代紫色に染め上げられており、袖と裾の部分には黄土色、そして深い藍色が使用されています。美しく咲き誇る春の花々の周りには、縁起のいい動物として知られるタンチョウヅルが描かれており、どの角度から見ても美しく、晴れの日に最適なデザインに仕上がっています。
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訪問着 木蓮に菊
全体は淡いクリーム色に、そして裾の部分にはうっすらと水色が差し込まれ、淡い古代紫色がポイントとなるよう染め上げられています。描かれているのは、モクレンと菊。控えめに描かれた2種の花模様がたいへん繊細で、上品な印象を与えるデザインとなっています。
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タペストリー『冬の白樺』
白樺は、北海道や一部の地域のみで分布する広葉樹です。樹皮が白色なのが特徴で、葉の色は季節に応じて緑色やオレンジ色に変化します。こちらのタペストリーは、そんな冬季の白樺をテーマにした作品です。背景の藍色と古代紫色のグラデーションが夜明けの空を思わせる構図になっています。
稲手明仁の着物買取は
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稲手明仁は人間国宝の作家のような知名度はありませんが、加賀友禅の第一人者として高く評価されているため、高く買取ができる場合があります。
着物買取のポイントは、
・着物の状態
・証紙の有無
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となりますが、稲手明仁の作品の場合、特に証紙の有無が重要になります。
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