着物作家・千葉あやのとは?
着物を高価買取してもらう方法とは?
今回は、重要無形文化財「正藍染(しょうあいぞめ)」の保持者として知られる千葉あやの(ちばあやの)についてまとめてみました。
正藍染とは草木染めの一種で、宮城県栗原市文字地区の千葉家に伝わる特別な技法です。特殊な工程によって染められる「青」には天然由来の味わいを感じることができます。ちなみに、千葉家では「正藍冷染(しょうあいひやしぞめ)」という名称で商標登録を行っています。
古くから「ひやしぞめ」「ひやぞめ」と呼ばれていたこの技法は千葉あやのが重要無形文化財保持者に認定されたときも「正藍冷染」と登録されましたが、「自然の温度で発酵させているのに『冷』という字が使われるのは不適正」として「正藍染」に訂正されました。そのため文化財としては「正藍染」として紹介されますが、商標登録上は「正藍冷染」となっています。
今回はそんな「正藍染(正藍冷染)」の継承者である千葉あやののプロフィール、代表作品などをご紹介します。
千葉あやのとはどんな人物?
1889年、千葉あやの(旧姓・佐藤)は宮城県文字村(現・栗原市)で生まれました。
幼少のころから手先が器用で、機織りの才能があったというあやのは20歳で結婚。嫁ぎ先の千葉家は農家を営むかたわら「正藍染(正藍冷染)」を受け継いでおり、藍染めの技法は姑から継承しました。
ちなみにこの技法は種を蒔いて育てるところから始まるため、1年がかりの作業となります。
大変手間と時間がかかるものであることから、一時は「廃業」の2文字が頭をよぎったこともあるといいますが、東京国立博物館の館長であり染織研究家でもある山辺知行氏に「やめてはいけないよ、あやのさん。あなたが辞めてしまったら、藍染めをする人がいなくなってしまう」と激励を受けたことから、「この技術を守っていこう」と決心したというエピソードが残っています。
1955年、千葉あやのは「正藍染(正藍冷染)」を自分の子や孫に伝え、伝統の保護に努めているとし、重要無形文化財保持者に認定されました。
しかし1957年、灰の不始末が原因とされる火災が発生します。
大きな炎は住居から作業場、藍染めに必要な道具までも焼き尽くしましたが、あやのが肌身離さず身に着けていた藍の種子と、近所の人に米びつと間違えられて持ち出された「藍玉」が入った容器があったことから藍染めを再開することができました。
1959年、千葉あやのの娘・よしのさんと孫娘・まつ江さんなど5名に正藍染技術保存伝承事業を実施。これにより5名が「正藍染(正藍冷染)」の正式な後継者となりました。
1963年には河北文化賞を、1966年には勲五等瑞宝章を受章した千葉あやのでしたが、1979年に脳梗塞を発症。翌年に逝去しました。
千葉あやのの
「正藍染(正藍冷染)」とは?
そもそも「正藍染(正藍冷染)」は日本最古とされる染織技法です。
特長は藍と麻の種まきからはじめ、栽培、糸の生成、「藍建て」と呼ばれる工程を行ったのちに「織」「染」を一人で行うこと、そして藍を自然発酵させる工程があることです。
この工程自体は中国から伝わったもので、平安時代には全国で行われていました。
しかし明治になり、「インド藍」や「人造藍(人工的な薬品を使用したもの)」が入ってきたことで、藍染めはもっと安価に、そして簡単にできるようになり、「正藍染(正藍冷染)」は途絶えていきました。
ちなみに、「正藍冷染」という名称の由来は、染めの工程にあります。
一般的な藍染めは藍を温め、発酵を加減して染色を行うため一年中染色することができるという強みがあるのですが、正藍冷染はこの「加温」を一切行いません。
熱を加えることなく自然の温度で発酵を進めるため、染色ができる時期や量は限られているのです。
千葉あやのの作品紹介
千葉あやのが手がけた作品が市場に出回ることは
めったにありません。
ここではそんな千葉あやのの作品の
一部をご紹介します。
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正藍冷染(第2回日本伝統工芸展出品)
1955年に制作された作品で、千葉あやのの作品にたびたび登場する草花が特徴的な美しい作品になっています。
ちなみにこの作品を制作した1955年は千葉あやのが人間国宝に指定された年です。
本作品は日本工芸会によって大切に保管されています。 -
藍染麻織
こちらは1975年に開催された第22回日本伝統工芸展に出品された作品です。
文様などをあしらわず、「藍」の美しさをシンプルに表現したもので、日本工芸会によって保管されています。
千葉あやのの作品の買取は
福ちゃんにお任せください!
大量生産ができない「正藍染(正藍冷染)」は「1年かかっても作れるのは2反ほど」といわれています。
そんな千葉あやのの作品はめったに市場に出回ることがなく、1点だけでも高価買取になる可能性は十分にあります。
なお、着物買取の世界で重要とされているのは「希少性の高さ」に加え「保存状態の良さ」があげられます。
この「保存状態」には使用感、付属品の有無なども考慮されるため、千葉あやのの作品とわかる証書などがある場合は必ず揃えておくようにしましょう。
また、「着物に詳しい業者を選ぶ」というのも重要なポイントです。
特に作家物の作品は、偽物なども出回っているため、着物に精通している査定士の鑑定は必須です。
福ちゃんには着物買取に精通した査定士が在籍しており、高価買取に自信を持っています。
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