加賀友禅作家・太田征夫とは?
着物を高く買い取ってもらう方法とは?
太田征夫とはどんな着物作家?
加賀友禅作家の太田征夫は詳しいプロフィールを公開していませんが、作品には加賀染振興協会が発行する証紙が添えられるため、信頼できる作家であることは間違いありません。
協会発行の証紙が添えられるには、長い年月をかけて師のもとで学び、実力を認められる必要がありますが、太田征夫は大正期に活躍した作家・相河平太郎の流れを汲む相河達博に学び、独立しています(京都の呉服店が作成している「加賀友禅師事系図」で確認できます)。
ちなみに、協会に認められた作家は落款を登録し、着物にも押されることになりますが、太田征夫の落款は「征」の字をくずしたものとなっています。
太田征夫の加賀友禅の特徴は?
太田征夫の手がけた加賀友禅の着物を見ていて感じられるのは、写実性の高さとある種の力強さです。加賀友禅の着物に描かれる自然の風物、たとえば草花は淡い色調で描かれることも多く、それが気品の高さや典雅な雰囲気を醸し出します。
一方、太田征夫の着物に描かれる草花はいずれも確かな生命力をたたえ、凛とした美しさを感じさせることに力点が置かれているかのようです。身につける人の背が自然にピンと伸びるような芯の強さを感じさせるデザインこそ、太田征夫の魅力といえるでしょう。
太田征夫の作品紹介
ここでは、太田征夫の手がける加賀友禅の作品を紹介します。
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訪問着『雲南流水』
浅葱色に近い、やや緑がかった水色の生地。そこに白・桃色の花が見られる枝花の文様が描かれた訪問着です。動きのあるデザインになっているのが特徴で、裾の部分からは、枝花から抜け落ちて水面にこぼれる葉や花びらが描かれ、ゆらめく水紋も表現されています。はらりと落ちて水紋が揺れるかすかな音さえ感じさせるような、繊細な描きぶりが印象的です。
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訪問着『野いばらこでまり』
薄い青紫色の生地にノイバラやコデマリの花々を描き込み、美しく仕上げた訪問着です。
ノイバラもコデマリも小さく可憐な花を群生させる植物ですが、この作品では白、赤、黄などの色を印象的に用い、質素な中にもそこはかとない華やかさを添えているのが特徴です。 -
花嫁のれん 大梅樹におしどり
「花嫁のれん」は加賀における伝統的な婚礼道具のひとつです。
加賀地方の伝統的な婚礼は、女性側が持参して嫁ぎ先の家に行き、仏間の入り口にかけ、のれんをくぐった女性が仏壇に挨拶をしてから始まります。
幕末から見られるようになった風習ですが、現在でも伝統を重んじる家では花嫁のれんを用意しており、加賀ならではの友禅染めで仕上げたものが多く見られます。太田征夫が手がけた「大梅樹におしどり」の花嫁のれんは、文字通り梅の木の下に“仲の良い夫婦”を象徴するおしどりのつがいが描かれています。華やかな色をふんだんに使い、おめでたい雰囲気に仕上げているのが特徴です。
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