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クロムハーツの歴史

クロムハーツは1988年、リチャード・エリック・スターク、ジョン・バウマン、レナード・カムホートの3人によって創立されました。

現在はシルバージュエリーのブランドとして高い人気を誇るクロムハーツですが、創立当初からシルバーアクセサリーのジュエリーブランドを扱っていたわけではありません。
現在、ブランドのデザイナーでありオーナーでもあるリチャードは、もともとは大工の見習いとして働いていた人物で、つとめていた会社が建築業のほかに革製品の輸入業も手掛けていたことから革製品のセールスマンに転職。ハーレーダビッドソンで全米を巡回しながら革製品のセールスを行う中、同じ革製品のセールスをしていたジョンと出会い、バイク用皮革ファッションの共同ビジネスを始めました。
ビジネスのかたわら、既存のバイク用ファッションに飽き足らず、自分で身につけたいファッションを追い求めるようになった2人は、彫金職人であったレナードを迎え入れ、「クロムハーツ」を設立します。

特にクロムハーツの知名度が高まったのは、創設者クロムハーツオの息子が映画の小道具に自社製品を使用したことから。それをきっかけに、ハリウッドのスター女優オードリー・ヘップバーン、エリザベス・テイラーなどもクロムハーツの製品を愛用するようになりました。

当初はバイク用革製品のアクセントとしてボタンやファスナーにシルバーを用いる程度で、主力商品ではありませんでした。
しかし、創立の翌年にあたる1989年、リチャードの友人が監督をつとめた映画『チョッパー・チップス・イン・ゾンビー・タウン』の衣装をクロムハーツが手がけたことで注目されるようになります。
女性バイカーがゾンビ軍団と死闘を繰り広げるというB級映画で、残念ながら日本では未公開。DVDなども発売されていませんが、当時、全米のバイカーたちがひそかに熱狂した作品のひとつとなりました。ストーリーや演技にではなく、バイカーたちはクロムハーツが手がけた衣装に魅了されたのです。シンプルなレザーライダースジャケットではありましたが、クロムハーツの銀の絶妙なアクセントが人々の心をつかんだのでした。

こうしてその存在を知られるようになったクロムハーツは、銀製品を単独商品として製造するようになります。
ジャケット用のボタンやファスナーから始まって、やがてはペンダントや指輪、ブレスレットなどさまざまなシルバーアクセサリーが作られるようになります。
その結果、バイカーだけでなくロックミュージシャンやハリウッドセレブの間にも広がっていき、クロムハーツの評判はさらに広まっていきました。

1992年には、アメリカファッションデザイナーズ協会のアクセサリー部門で最優秀賞を受賞。これをきっかけにその名はさらに高まり、一般の人々にも伝わりました。
現在では、アメリカはもちろんヨーロッパ、そして日本でも人気のブランドとして愛されるようになっています。