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グッチの歴史

創設者のグッチオ・グッチは、1881年イタリア生まれ。17歳でイギリスのロンドンにある高級ホテル「ザ・サヴォイ」に職を得て3年間を過ごす中で上流階級の文化に触れ、センスを磨きました。
そして1921年、生まれ故郷であるイタリアのフィレンツェにてショップをオープン。グッチの歴史が始まります。英国貴族たちと日夜接する中で体得したエレガントさを反映したアイテムを、矢継ぎ早に発表。すぐさま高級ブランドとして名を馳せました。

“古き良き”を体現する繊細なものづくりをしながらも、世界初の自身のイニシャルをモノグラムにした斬新なデザインを打ち出すなど、創設当初より時代の一歩先を行く感覚も持ち合わせていたのがグッチオ・グッチの特徴でした。

特にグッチの知名度が高まったのは、創設者グッチオの息子が映画の小道具に自社製品を使用したことから。それをきっかけに、ハリウッドのスター女優オードリー・ヘップバーン、エリザベス・テイラーなどもグッチの製品を愛用するようになりました。

現在もっとも価値と人気のある製品は「オールドグッチ」。1980年代までにグッチ一族が直接デザインした製品のことで、ブランド品のコレクターにとってはまさしく“垂涎の品”といえます。
1953年にグッチオが死去してからも、息子アルドが経営を引き継いで安定した品質を保ち、支持を集めてきたのです。

その後、後継者争いもあってブランドは一時衰退しますが、1990年代にレディース部門のファッションデザイナーとして登場したひとりの人物が、グッチを再び盛り立てます。
そのデザイナーとは、のちに自身の名前を冠した高級ブランドを持つことになるトム・フォード。トムはグッチの伝統であるエレガント路線を離れ、モードテイストを取り入れたモダンでスタイリッシュなデザインを打ち出します。これが注目を集め、グッチ再起のブランディングが成功しました。以降、トムが去ったあとも、グッチは全世界の人々に愛されるブランドとして君臨しています。